- おりものの量が多い、臭い、色が気になる方へ
- 正常なおりものとは?
- このようなおりものの変化・症状がある場合は
ご相談ください - 色でわかるおりものの異常
- 量やにおいで分かるおりものの異常
- おりものに異常があるときに考えられる病気
- おりものの検査方法
- おりものの量が多い時の多い時の対処法
おりものの量が多い、臭い、色が
気になる方へ
おりものは子宮や膣からの分泌物や、はがれた古い細胞などでできており、雑菌の侵入や繁殖を防ぐ役割があります。また排卵期には粘り気が強くなり、精子の侵入を助けて妊娠しやすくしてくれます。
体調の変化でおりものの状態が変わるのはよくあることで、それほど気にする必要はありません。ただし色が変化したり、おりものシートでカバーできないほどの量が出たりしている場合は、病気のサインである可能性もありますので、上野会クリニック あべのBranchで検査を受けましょう。
正常なおりものとは?
正常なおりものは、色は透明から乳白色、または薄いクリーム色です。臭いはほぼありませんが、多少酸っぱい臭いが生じることもあります。排卵期や妊娠時は量が増えるのが通常で、おりものシートでカバーできる程度であれば心配ありません。
このようなおりものの変化・症状がある場合はご相談ください
色や量、臭いなどが正常でない場合は、何かしらの疾患が隠れている場合があります。下記のような変化がある場合は一度ご相談ください。
- 半透明・乳白色・薄いクリーム色以外の色の変化がある
- おりものシートでカバーできない、またはズボンまで染みるほど量が多い
- 魚が腐ったような生臭いにおいがする
- さらさらとした水っぽいおりものが出る
- カッテージチーズのような白い塊が混ざっている
色でわかるおりものの異常
普段と違うおりものが出た場合は色で原因を見分けられる場合があります。
茶色・ピンク色の場合
血液が混ざっています。生理前後であれば心配いりません。また妊娠初期の着床出血でピンク色のおりものが出ることもあります。
ただし、それ以外の期間でも茶色・ピンク色のおりものが続く場合は不正出血が疑われます。不正出血は子宮筋腫や子宮頸がん、子宮体がんなどのサインとして知られていますので、念のため受診しましょう。
黄色〜黄緑色の場合
下着に付着して乾いた時に黄色く見えることもありますが、膣や子宮、卵巣の疾患が原因のこともあります。よく疑われるのは、子宮内膜炎、子宮頸管炎、卵管炎などの子宮・卵巣の病気です。また萎縮性腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス腟炎、淋菌感染症などで膣で炎症が起こっていることが原因の場合もあります。
白い場合
透明から乳白色に近い場合は心配ありませんが、カッテージチーズや酒粕のような塊が出ている場合はカンジダ腟炎が疑われます。
黒い場合
古くなって酸化した血液や、多量の血液が混じると黒いおりものが出ることがあります。月経の初日や後半など、経血量が少ない時に黒いおりものが出やすくなりますが、生理が終わっても続く場合は不正出血の可能性があります。
量やにおいで分かるおりものの異常
色以外にも、分泌量や臭いで異常が分かることもあります。下記のようなおりものが出たら注意しましょう。
大量のおりものが出る
おりものの量は生理周期で増減するため、少し量が増えた程度では心配ありません。ただし、おりものシートから溢れるほどの量が出たり、ズボンまで染みるようなことがあれば、何らかの病気が関係している可能性があります。
生臭いおりものや、においの強いおりものが出る
臭いの原因は膣内で増殖した雑菌であると考えられます。体調不良や疲労、ストレスなどで免疫力が低下している可能性があります。
また、魚が腐ったような臭いや、生臭いにおいがする場合は病気の可能性もあります。
粘度が高い・ベタベタしている
排卵日が近づくと通常よりベタベタしたおりものが出ることがあります。これは排卵期に精子の侵入を助けるためで、2~3日程度であれば心配ありません。
サラサラしている
排卵期は透明でサラサラしたおりものが出ることがありますが、排卵期以外だとクラミジア感染症の可能性がありますので、早急に受診しましょう。
おりものの中に白い塊がある
カッテージチーズや酒粕のような白い塊が混じったおりものが出た場合は、カンジダ膣炎の可能性があります。外陰部にかゆみがある場合は特に要注意です。
おりものに異常があるときに
考えられる病気
おりものの異常が見られる場合、下記のような病気にかかっている可能性があります。
腟カンジダ(カンジダ症)
元々、皮膚や口腔内に存在するカンジダ菌によって発症し、かゆみや発疹、発赤、性交痛、排尿痛などを引き起こします。カッテージチーズや酒粕のような白いおりものが出たら要注意です。
腟トリコモナス症
トリコモナス原虫に感染することで発生し、発赤、かゆみ、圧痛、性交痛、排尿痛を引き起こします。生臭いにおいや黄色・緑色のおりものが大量に出ることがあります。
性器クラミジア感染症
日本で最も多く見られる性感染症の1つで、クラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされます。
主な症状には、生理痛のような下腹部痛、不正出血、性交時の痛み、水っぽいおりものの増加などがあります。ただし、自覚症状が乏しいことも多く、軽いおりものの変化程度のため、見過ごされることもあります。
淋菌感染症(淋病)
淋菌によって起こる性感染症です。女性は自覚症状がほとんどないことが多いです。黄緑色で粘りのあるおりものの増加、不正出血、軽いかゆみや腫れ、排尿時の痛みや頻尿などが見られることがあります。
子宮頸管炎
子宮の入り口に細菌が感染して起こる炎症性の疾患です。大腸菌やブドウ球菌、淋菌、クラミジアなどが原因となり、特に淋菌やクラミジアによるものは自覚症状が出にくいのが特徴です。
初期にはおりものの増加が見られ、悪化すると黄〜黄緑色で悪臭を伴う膿のようなおりものになります。そのほか、不正出血や下腹部の痛み、性交後の出血などが現れることもあります。
子宮頸がん
がんが進行するにつれて、膿状や茶色いおりもの、水っぽい粘液が増えるなどのおりものの異常が現れることがあります。さらに、不正出血や性交時の出血、進行すると下腹部や腰の痛みを感じることもあります。
おりものの検査方法
内診またはご自身で採取したおりものを顕微鏡で観察します。この検査でカンジダやトリコモナス、雑菌の感染がある程度分かりますが、菌の種類まで特定するには培養検査が必要です。
また、性交渉のある方には症状がなくてもクラミジア検査を定期的に行うことが推奨されており、あわせて受けるのがおすすめです。
性病検査や培養検査の結果は、通常1週間ほどで判明します。
おりものの量が多い時の
対処法
おりものの量が多く、色や性状に異常がある場合は、感染症などの可能性があるため早めに医療機関を受診しましょう。異常がなくても、生理周期による変化や蒸れによる不快感・かゆみを感じることがあり、日常のケアが大切です。
デリケートゾーン専用の
ケア用品を活用
デリケートゾーン用のミストやシートを使えば、外出先でもさっぱりとリフレッシュできます。
シートはそのままトイレに流すことができるものも多く、おすすめです。
専用の石鹸を使用する
おりものを洗い流すことで悪臭や雑菌の繁殖を防げます。ただしボディソープなどは洗浄力が強すぎて必要な常在菌まで洗い流してしまう可能性があります。専用石鹸を使用し、優しく洗うと良いでしょう。
吸水ショーツを活用する
吸水ショーツは月経時の経血を吸水してくれるアイテムですが、おりものシートの代わりに使うこともできます。こまめに変えられない時やシートの摩擦が気になる方にも向いています。
アンダーヘアを処理
ショーツ内の通気性がよくなるため、蒸れにくくなります。脱毛や専用シェーバーを活用しましょう。