乳がん検診とは?

乳がん検診は、乳がんを早期に発見するための大切な検査です。
しこりや痛みなどの自覚症状が出る前に、マンモグラフィや乳腺エコー(超音波検査)などで小さな異変を見つけることで、治療の選択肢が広がり、体への負担も少なく済む可能性があります。
日本では、40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィ検診が推奨されていますが、それより若い方でも、乳がんのリスクや不安を感じている場合には検査を受けることが可能です。
検診をきっかけに、乳がんの不安と向き合う時間が、ご自身の体と大切な人生を守る第一歩になります。
乳がん検診は、こんな方におすすめです
- 40歳以上の女性(定期的なマンモグラフィ検診が推奨されています)
- 乳がんの家族歴がある方(母親・姉妹などが乳がんを経験している場合)
- 生理が遅くまで続いていた方や初潮が早かった方
- 出産経験がない方、高齢出産の方
- ホルモン療法を受けている方
- 胸に違和感や不安を感じている方(たとえ自覚症状がなくても)
検診は、「何か異常があるかも」と思った時だけでなく、何もない今だからこそ意味のある予防医療です。「まだ若いから大丈夫」「忙しくて時間がないから…」と思って先延ばしにしがちですが、数十分の検査で未来が守られるなら、ぜひ一度立ち止まってご自身の健康と向き合ってみてください。
乳がん検診の内容
乳がんの検査には視触診検査、乳腺エコー検査(超音波検査)、マンモグラフィがあり、複数の検査を組み合わせながら検診を行います。
視触診検査
乳房にしこりや変形、分泌物などがないか医師が直接チェックします。小さな乳がんは発見できないため乳腺エコーやマンモグラフィと併用することが大切です。
乳腺エコー検査(超音波検査)
超音波を発する器具を乳房に当てて動かし、映し出された画像を見ながら診断を行います。身体に負担をかけずに数mmの大きさのしこりを見つけることができます。
マンモグラフィ
早期乳がんの唯一の手がかりである乳腺の石灰化や、腫瘍を鮮明に映し出せる効果的な検査です。若い女性や高濃度乳腺(デンブレスト)の方は乳腺組織が真っ白に映ってしまうことがあるため、その場合は乳腺エコー検査と併用することが一般的です。
乳がん検診・検査費用
大阪市の乳がん検診について
大阪市が補助する乳がん検診を当院で受診できます。
超音波(エコー)検査
- 対象者:大阪市内に住民票がある30~39歳の方(年度末までに30歳になる方を含みます)
- 費用:1,000円
マンモグラフィ検査
- 対象者:大阪市内に住民票がある40歳以上の方(年度末までに40歳になる方を含みます)
- 2年に1回受検が可能です
- 費用:1,500円
乳がんの治療
薬物療法
薬を使ってがん細胞の増殖を抑える治療法で、抗がん剤のほか、ホルモン療法薬や分子標的薬が用いられます。
抗がん剤
がん細胞の分裂・増殖を妨げる薬です。副作用として吐き気や便通の変化などありますが、それらを軽減する薬も併用されます。脱毛や爪の変色といった外見の変化は、治療終了後に徐々に回復します。
ホルモン療法薬
エストロゲンという女性ホルモンの働きを抑えることで、ホルモン感受性の乳がん細胞の増殖を防ぐ治療です。ホルモンの分泌を抑制したり、受容体への結合を防いだりする薬が使われます。
分子標的治療薬
HER2という特定のタンパク質を持つがん細胞を標的にする薬です。薬の成分がHER2と結びつくことで、がんの活動を抑える働きがあります。副作用は比較的軽く、治療の選択肢として広く利用されています。
おわりに
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、検診を受けていただきたい時期かもしれません。私たちは、皆さまが安心して検査や治療を受けられるよう、丁寧な診療を心がけています。気になることがありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

